最近の・・


子供たちが私にある単語の意味を訊ねる。私は決して「知らない」とは言わない。
私は言う「調べてみるわ」。そして私は辞書を引く。何度でも倦(う)むことなしに。

アゴタ・クリストフ 『文盲』 (L'inalphabete) 

著者はハンガリーから夫・赤ん坊の娘と共にスイスへ亡命し、
フランス語が「聞き、話せるが、読めない」まま5年を過ごした。
その後、ようやくフランス語を学習し、「読める」ようになったときの喜びが
素直に、じわりと伝わってきた。
「読める」ということは、世界が果てしなく広がるということ。



記憶とはひとつの場所、訪れることのできる本当の場所であって、
死者たちに混じってしばしの時を過ごすのはかならずしも悪いことではなく、
そればかりか大きな慰めと悦びの源になりうるのだと理解できたのは初めてだった。

ポール・オースター 『ティンプクトゥ』

長年共にしてきた飼い主を亡くし、悲しみにくれていた「犬」のことば。

うちの犬が死んだとき、ひとしきり泣いたあと
家族で犬との楽しい思い出を語っていたときにはもう涙は出なくて
「居てくれてよかったよ」という喜びに変わったのを思い出した。



「命の大切さなんて、命は大切だって字で書けばいい。
そういうふうにテーマを、簡単に抜き出せるのはみんないかがわしいと思う。」

宮崎駿がNHKのプロフェッショナルの中で述べたことば。

同感。文字にすればするほど、薄っぺらくなる。
昔はこんなことば、無かったし、必要なかったのに。
この人はそんなこと考えずに、ただただ、楽しく面白いものを作ろうとしていた。
[PR]
by tonchita | 2007-04-03 10:52 | なんでもない日
<< 南アルプス 桃源郷マラソン 四国はじめての旅 >>